国内最大手ビットフライヤーなど6社に対し、金融庁は業務改善命令を出した。

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こんにちは、シュンです。

ビットフライヤーは、体制見直しが終わるまでの間、新規顧客の受け入れを取りやめると発表

金融庁は22日、仮想通貨交換業者の国内最大手ビットフライヤー(東京都港区)、QUOINE(読み方は日本語表記では「コイン」:東京都中央区)、BTCボックス(同)、ビットバンク(東京都品川区)、ビットポイントジャパン(東京都港区)、テックビューロ(大阪市西区)に改正資金決済法に基づく業務改善命令を出しました。

テックビューロへの処分は2度目となりました。

いずれも登録業者として「お墨付き」を得ていたにもかかわらず、反社会的勢力による取引を許すなどずさんな運営をしていました。

各社が顧客獲得を優先して体制整備を怠ったためだが、登録業者への処分は金融庁による監督にも課題を突きつけました。

金融庁は登録申請中の「みなし業者」と並行して、顧客資産の保護体制などの審査を通過した「登録業者」にも立ち入り検査をしてきました。

金融庁はビットフライヤーに対し、4月9日から立ち入り検査を実施していました。

検査の結果、マネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪対策や経営管理体制が不十分で、内部管理体制に重大な問題が相次いで見つかりました。

金融庁によるとビットフライヤーでは、本人確認で登録した所在地が「私書箱」になっていたり、登録審査時に事実と異なる説明をしたりしていたといいます。

経営陣が加納裕三社長の知人だけで占められるなど、管理体制にも問題がありました。

取引データから、反社会的勢力が利用していた形跡も見つかりました。

他の5社も、法律で定められた帳簿が長期間作られていなかったり、システム障害や苦情への対応を怠ったりしていました。

取引チェック体制などについて、登録審査時の説明と実態が異なっていた事例もありました。

反社会的勢力による取引を許していたほか、そもそも反社会的勢力かどうかを確認するリストすら持っていない業者もありました。

ビットフライヤーは22日、既存顧客の再度の本人確認と、改善命令に基づく体制見直しが終わるまでの間、新規顧客の受け入れを取りやめると発表しました。

約230万人の既存顧客による仮想通貨の取引は継続されます。

同社は昨年12月の新規顧客が前月比3・5倍に膨れあがり、「急激な増加で本人確認がおろそかになっていた」と説明しています。

「管理体制強化を徹底し、信頼回復に努める」としています。

ずさんな運営をしていた事態の背景にある要因

こうした事態の背景にあるのが、仮想通貨取引の急激な広がりだといいます。

日本仮想通貨交換業協会によると、2017年度の仮想通貨取引量は約69兆円と、1年間で20倍に急増しました。

顧客数はのべ360万人に上っています。

交換業者は事業の内容や規模の拡大に伴い、コールセンターの設置や本人確認による資金洗浄対策の強化が必要でした。

しかし、「登録後に十分な内部管理体制を作り上げることができていなかった」と金融庁幹部は言います。

他社との競争で顧客獲得を優先するあまり、従業員の確保やシステム投資が後回しになってしまいました。

金融庁がお墨付きを与えた登録業者ですらルールを守れていないのは深刻な問題です。

大手業者は仮想通貨の健全な取引環境の整備に向けて、業界を引っ張る立場にあります。

仮想通貨の専門技術者は不足していますが、内部管理体制は人員を増やせばある程度、対応できる課題です。

仮想通貨は少額決済や国際送金の手段としての発展が期待されています。

しかし、現状では仮想通貨を「お金」として決済に使う動きは限られ、自己実現的な値上がり期待ばかり高まっています。

業者のずさんな管理体制のもとで犯罪などに悪用されれば「次世代の通貨」の芽を潰しかねません。

それだけに業者の経営責任は重いです。

仮想通貨に詳しい麗澤(れいたく)大学の中島真志(なかじま まさし)教授は「顧客から資産を預かっているのに『金融業』としての自覚が足りない」と指摘しています。

急拡大する市場に悩みを抱えるのは金融庁も同じようです。

「仮想通貨の環境変化にあわせて、素早く対応できるように検査・監督に対応していく必要がある。我々にも改善余地はある」と金融庁幹部はこう漏らしています。

1月に多額の不正流出事件が起きたコインチェック(東京・渋谷)を含めたみなし業者はすでに、全15社が行政処分を受けたり、撤退を決めたりしました。

金融庁は海外の無登録業者には警告を出しています。

ただ、登録業者まで軒並み行政処分に至った現状は、健全な市場育成に責任を負う金融庁にも課題を残しています。

仮想通貨は今後も成長が期待でき、交換業への新規参入を希望する事業者は多いです。

今回の行政処分を踏まえると、新規参入の事業者もいったん、登録業者として管理体制を認められても、市場の伸びに合わせて管理体制を充実しなければ、市場からの退出を迫られます。

仮想通貨を法律で規定した改正資金決済法の施行から1年あまりです。

伸びる市場の理想と現実のズレは、事業者と金融庁の双方が抱える問題を浮かび上がらせました。